ラン
ラン

日本古来種の蘭で、長い花弁が特徴です。この絵は、3枚ぐらい違う色調で絵を重ねたぐらい、手間が掛かっています。下書きを繊細に起こした時は、それだけで完成に近い絵になっていました。次に花の白に、下色を付けるために施した色で、画面全体が真っ赤になっていました。次に改めて、花を描き起こし背景にも違う色を加えることで、花とそれ以外の色調を変えました。

完成イメージを保つということは、意外に難しいものなのです。それが無いと、その時その場の心境に左右されて、どんな絵を目指していたのか分からなくなってしまう。これは、完成まで描けない人のほとんどに当たります。しかしそれは絵を描く人は誰しも経験することだと思います。

そこを抜け出すには、3枚ぐらい描くパワーと粘り強さが問われるのでしょう。これが出来ると、どんな場面でも完成させることが出来る自信になります。重厚かつ繊細な、いい作品になったと思います。