75回岡山県美術展覧会へ、百工房アートスペースから4人が出品し、 3名の方が入選いたしました。
タイトル お名前 賞
再生の方舟 道綱 猛 岡山県知事賞受賞
元に還る私 山吹あらら 入選
覗き猿 木村俊昭 入選
葡萄の木 草野 和正 選外
入選された皆さま、おめでとうございます。残念だった方、また次回に向けて頑張ってください。
再生の方舟 道綱 猛道綱さんは、自分の世界をじっくりと考え、スケッチをしたり文章で書き留めたりすることを続けてきました。また、漆喰を利用した描画法も、繰り返し改良して来ました。時間を掛けて、自分の作品を煮詰めるように取り組んできた成果が、実を結ぶことになったのだと思います。これから飛躍していくことを期待して止みません。
元に還る私 山吹あらら
山吹あららさんは、作家として自分の描き方を確立するために、実験をしています。今回は敢えて、自分の気持ちに正直に、好きなように描くことに専念したと聞きました。自分の気になっている、面白いと思っている生き物が、次から次へと登場し、可愛いけれどもどこかしら奇妙な世界が醸し出されています。実験精神から得られた結果は、次の作品へと明瞭に結びついてくるはずです。次回作が楽しみです。
覗き猿 木村 俊昭
お猿さんが袋に入った小判を、人目に付かないところでこっそり覗いて、ニヤリとしているところを作品にしています。この作品のテーマとなったものは、世間を揺るがした偉い方々のキックバック問題です。このような風刺的視点は、多くの作品が有れども唯一無二だと思いました。木村さんは長らく受講されていましたが就職が決まり、残念ながら百工房アートスペースを離れます。この成果を胸に、新たな世界で頑張っていただきたいと思います。
葡萄の木 草野 和政
うねうねとした幹の姿が情動的に迫ってきます。色遣いと言い、構図と言い、斬新な日本画となっているので、選外となってしまうには惜しい作品でした。時間の限り、完成度を上げようとしたのですが、構図の吟味や描き込み等には、少し時間が足らなかったかもしれません。仲間と葡萄を育てワインを作っていらっしゃいまして、ボトル・ラベルにこの絵が採用されたそうですので、良い成果もありました。また、次に向けて頑張っていただきたいと思います。