今も昔も、「早い」「安い」「旨い」効率重視の書籍、記事は、ビジネスモデルとして絶好調、大人気コンテンツですね。我々も経験上、コツや良い方法があることは否定しません。ただ、痛い失敗経験が同じことを2度と繰り返さないぐらい頭に叩き込まれて忘れないことも、繰り返し噛み砕くように練習したことが、しっかりとした基礎になってくれることも経験しています。

お答えします。短期間で上達するかどうかは、ご本人次第です。基礎を固めるのにもそれなりの時間が掛かります。基礎を固めないで、実践に進んだ場合上手くいかず、また戻って基礎をやり直すという方もいらっしゃいました。詰め込み式に技術だけを吸収したとしたら、それは身に付かず早く忘れてしまうということにもなります。それこそ、急がば回れ、ということに成りかねません。

ご本人次第というのは、その人の特性がそれぞれ違うということでもあります。得意不得意があるように、習得するのに時間が掛かるものも、早く進むものもあります。絵を描くのは、技術だけではなく、目や手を使う感覚ですから、それらが身に備わるにはそれなりの時間が掛かることを想定しておくべきです。

上手くなることは、判断基準が明確で、分かりやすいところがあります。しかし、良いものを作るなら、読んだ小説や、見た映画や、旅行に行った時の経験や、どこで何が生きて来るか分からない、時間軸という基準で捉えられないものがあります。私は、良いものを作るために技術が必要になるという順番は妥当だと思いますが、何が何でも技術が先にあるということには、違和感を感じます。

受講者の方に合った課題を丁寧に行うこと、その結果を次の課題に生かすこと、双方向で密なコミュニケーションでアドバイスのタイミングを計ることを、我々は心掛けます。時間は掛かっても、きちんとした実力が身に付くことを、我々は保証します。