母の靴 木村俊昭
制作期間 約1カ月半
使用画材 B4ケント紙、ミリペン、筆ペン、鉛筆
自分の将来を開拓するために、いつも熱心に頑張っていらっしゃる方が、投稿して下さいました。
「母が履いていた靴を鉛筆とペンでデッサンしました。
ちょっとした外用に普段履きしていた靴で、キズや汚れがとても多いものです。描きながら、キズ、汚れは買い物や掃除など、母が家族のためにしてくれていた時間が、長年積み重なって出来たものということをひしひしと感じました。
その思いを込めて、深く、重みのある靴のデッサンを目指しました。 表現したいものと向き合い、自分なりに考えていくことの大切さを、完成してみて改めて知る作品にもなりました。」とのことです。
迫力あるデッサンです。技術や、意図について、指摘する必要を感じません。言葉も強い。思いを込めるあまり、そうなってしまったとのことです。作者の思いが強ければ、それだけ作品も強くなるということですね。
彼は、しばらくデッサンが上手く描けなくなっていました。もちろん、コロナ禍の影響は、あると思いますが、本人曰く、自分の目標に近付かない焦りと、人目を気にするあまり、そうなってしまったと、自己分析していらっしゃいました。そして、結果が悪くても良くても、目の前の結果を受け止めるしかない、そのことしか目標につながって行かない、ということに気付いたそうです。この作品の強さは、あがいて、状況を跳ね返そうと頑張った、「血と汗と涙」であったか~。
大きな節目、それも前向きに転回する瞬間に立ち会えたことを、うれしく思います。これから、勢いを付けて頑張れそうですね。大変、お疲れさまでした!