デッサンオンデマンドの傑作を掲載いたします。このトイレットペーパーは、15時間も描かれています。

作者は、基礎課題に取り組んでいるのですが、もっと感じを掴みたい!もっとリアルに描きたい!という欲求が湧いて来て、どんどん描き進めて行きました。途中の、作者のメモを抜粋します。
〇背景の濃淡の極端な部分、トイレットペーパーの境界の明暗、などの大ざっぱな部分を直す。
〇トイレットペーパーの、影の輪郭をもう少しやわらかくぼかしてなじませたい。
〇トイレットペーパーの、上面ももう少し観察して描き込みたい。
〇トイレットペーパーの、紙のめくれている部分を柔らかく、それらしく表現したい。

誰もが見知っている、当たり前のトイレットペーパーも、これほどまでに観察し細密に描き込むと、何か別の「特別なもの」に見えてくるような気がします。品格が出、バームクーヘンのようなおいしそうな気配を、個人的には感じました。作者のこだわりが、現実→超現実になり、アートとなることがあります。しかし作為無く、それが生まれたのは、作者の真っすぐな眼差しが生みだした偶然です。アートを見た時のような、改めてハッとさせられたり、気付かされたりする経験でした。