デッサンオンデマンドの傑作を投稿いたします。働きながら、マンガ家を目指している方の、人の表情の練習です。面白く思いましたし、少しドキドキしました。理由を考えてみたのですが、描かれたキャラクターが、生き生きしている「何か」があるからです。そのキャラクターがどういうシーンで、このような表情をしているか、想像したくなりました。

喜怒哀楽と言っても、通り一遍に「このようにすれば、こういう表情になる。」と指摘することは出来ますが、人の感情はそれほど単純ではありません。喜怒の中間とか、怒哀の中間とか、微妙な感情を、表情として表現することは簡単ではありません。左右対称を崩し、眉や、目尻、口元などの表情を微妙に変えることで、そのような生き生きとした表情は生まれるのだと思います。

作者の普段の視点や、想像力が元となって、このようなリアルな描写を可能にしているのかも知れません。興味を持って世界を眺められる人は、素直に面白いものを面白いと感じ、柔軟に取り入れて行きます。それが出来るということは、色眼鏡で見て批判したり、何だかんだ理由を付けて、自分から逃げたりしていないわけです。自分のことに対しても、自分以外のことに対しても、素直に向き合うことが出来る、これは実はとても難しいことです。

絵が上達するということは、出来ないことが出来るようになっていくことです。素直に向き合えない葛藤は、もちろん私自身例外ではないのですが、難しいからお手上げだ!というより、ここからが出発なのだと思います。そのハードルをクリアーしていくコツを申し上げます。実力を付けている自分も、客観的に評価してあげること。自分の興味や楽しみを、出来ないことに対しても重ね合わせるようにすること。出来なくても、必要以上に自分を責めたりしないこと。出来ないことを他のせいにして、今まで積み上げたことをぶち壊しにしないこと。

高い目標を持つ場合、自分ルールを設けることは、とても大切なことだと思います。作者のこれからの活躍、心から応援しております。